2020/02/15

本物の素材



建築設計の創り手からよく聞かれるのが「本物の素材は飽きない」という話。
そもそも、フェイクはどれだけよくできていても、
本物の素材がもつ「風合い」「存在感」等はとても敵いません。

しかし「飽きない」という言葉遣いは少々「その意味」の履き違えがあります。
人の心理を考えますと「変化しない」ものは「飽きやすい」です。
人工建材は「劣化」という「好ましくない変化」をしているので「飽きやすい」のです。
本物=天然素材は「風合いが増す」ので「よい変化」をしているので「飽きがきずらい」。

飽きる飽きないは、本物の素材云々ではなく「人の心理変化」と向きうべきで、
創り手が語る「飽きない」は、あくまで物質価値という、とても狭い領域にあります。

ちょっと厳しい表現をしますと、
「本物の素材は飽きない」という論理の創り手は、本物の素材を活かしてはいません。
本物の素材に頼ってモノづくりをしているのです。

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