2011/06/24

小さな家を思う・・・その2

シンプルにする事と、我慢する事は違う。

小さな家は「物理的に小さい」。
狭小住宅とも呼ばれ「狭くて・小さい」。

これまでの価値観は二極化する傾向が強かった。「勝ち組・負け組」のように、二元論で「物の価値」を決めていた。今思えば、ただそれは「分かりやすかった」だけである。
家も同様。「大きく・豪華に」という謳い文句が世の中に氾濫すれば、どうしても「夢」として大きく膨らむ。そうなると、「現実と向き合って、ある程度我慢」という話になる。

しかし、本当に「我慢」だけなのだろうか?

前段の理屈は、「新しい家を建てる」ことが、これまでの暮らし方の、延長上にしか無い様に思えてならない。これまでの延長が悪いわけでは無いのだが、造る側からすると、どうしても「大量生産する側の理屈」が垣間見れることが多く、一つ一つを造りこむ建築家にとって、とても寂しいことに見えてしまう。

「新しい家」である。そこには「新しい生活」「新しい価値観」があってしかるべきではないだろうか?
そのために、「要望を我慢」するのではなく「暮らしをシンプルに捉え直し・考える」ことが小さな住宅の真骨頂であり、本当の楽しみだと思う。


つづく




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