こんにちは。アトリエアイズ代表・管理建築士の今井博康です。
これまで、保育園やテナントビル、店舗、文化財等の実績を通して、「建築」について書いてきました。今回から新たに「川崎まちづくり考」として、建築士の視点からまちについて考えていきます。
なぜ、今なのか。 川崎のまちが今、大きな転換点を迎えているからです。
南の臨海部から北の丘陵部まで、川崎ではいま、至るところでまちの姿が変わりつつあります。まずは、その現在地を見ていきます。
臨海部|鉄のまちが、次の100年へ
京浜工業地帯の象徴だった扇島の高炉が、2023年9月に休止しました。前身の日本鋼管が川崎で創業したのは1912年。100年を超えて続いてきた鉄づくりの風景が、いま大きく変わろうとしています。
跡地では、約222ヘクタールにおよぶ土地利用転換が進められています。まず先行して整備される「先導エリア」では、水素などのエネルギー、港湾物流、高度物流の拠点づくりが計画されており、令和10年度の一部利用開始が目標とされています。
まちを支えてきた産業そのものが入れ替わる。川崎の成り立ちに関わる、大きな転換です。
参考:神奈川新聞(カナロコ)JFEスチール高炉跡地の土地利用転換/川崎市 扇島地区基盤整備等推進計画
川崎駅周辺|まちの玄関口が変わる
京急川崎駅の隣では、最大1万5千人規模のアリーナを中心に、ホテルや商業施設を備えた複合施設の建設が進んでいます。開業予定は2028年10月です。
市はこのプロジェクトを契機として、駅周辺の歩行者空間の充実など、人が歩いて楽しめるまちづくりを進めるとしています。2026年3月には、川崎駅周辺総合整備計画も改定されました。
一つの大きな施設が、駅前の人の流れや、まちの性格そのものを変えようとしています。
参考:Impress Watch 川崎アリーナシティ/川崎市 アリーナシティ・プロジェクトを契機としたまちづくり/川崎市 報道発表資料(2026年3月)
武蔵小杉|短い時間で塗り替わった風景
中原区の武蔵小杉は、かつて工場が並ぶまちでした。それがこの十数年で、タワーマンションが次々と建ち並ぶまちへと姿を変えました。
新しい住民が増え、駅前はにぎわいを得ました。その一方で、低層の住宅や商店が続く昔からの街並みと、高層の建物群が隣り合う風景も生まれています。
まちは、これほど短い時間で塗り替わることがある。武蔵小杉は、その速さを示すまちです。
参考:川崎市 小杉駅周辺地区のまちづくり/神奈川県立図書館 武蔵小杉の変遷に関する調査レポート
登戸・向ヶ丘遊園|時間をかけて整えてきたまち
多摩区の登戸・向ヶ丘遊園駅周辺では、昭和63年に土地区画整理事業が始まりました。対象は約37.2ヘクタール。木造住宅が密集していたまちで、道路や駅前広場を整え、建物を一つずつ移しながら、まちを組み直してきました。
事業はいま、仕上げの段階にあります。登戸駅前では再開発が進み、道路空間を使ってにぎわいをつくる社会実験も行われています。
武蔵小杉とは対照的に、30年以上の時間をかけて少しずつ変わってきたまちです。
参考:川崎市 登戸土地区画整理事業等について(令和8年4月)/川崎市 登戸・向ヶ丘遊園駅周辺の取組
鷺沼|暮らしの拠点が動く
宮前区では、鷺沼駅前の再開発にあわせて、区役所や市民館・図書館を駅前へ移す計画が進んでいます。市民館・図書館は令和14年度のオープンを目指しています。
移転後の今の区役所の敷地をどう活かすかについても、市民参加で検討が続けられています。
行政や文化の拠点が動けば、人の流れも、まちの重心も変わります。新しい場所だけでなく、残される場所のこれからも問われているのです。
大きな計画と、一つひとつの建物
産業が入れ替わる臨海部。玄関口が変わる川崎駅。短期間で塗り替わった武蔵小杉。時間をかけて組み直してきた登戸。拠点が動く鷺沼。
変わり方も、変わる速さも、場所によってまったく違います。それが川崎というまちの面白さであり、難しさでもあります。
そして市は2026年7月、まちの将来像を描く都市計画マスタープランの改定に向けて、その基本的な考え方を公表しました。川崎のまちのこれからが、あらためて問われています。
けれど、まちは計画図だけでできているわけではありません。大きな計画が描くのは、まちの骨格です。実際の街並みをつくるのは、その上に建つ一つひとつの建物です。
店舗の建て替え、住宅の新築、空き家の改修。そうした一棟ずつの積み重ねが、まちの表情を決めていきます。
■ まとめ
川崎のまちは今、南から北まで、さまざまな速さで姿を変えています。
まちの姿が大きく塗り替わろうとしている今こそ、建築士として立ち止まり、まちを読み直したい。それが、この「川崎まちづくり考」を始める理由です。
では、大きな変化の中で、一つの建物にはどれほどの力があるのでしょうか。
次回、序2「一つの建物は、まちを変えるのか?」で、この問いを考えます。
参考資料
- 神奈川新聞(カナロコ)JFEスチール高炉跡地の土地利用転換
- 川崎市 扇島地区基盤整備等推進計画(案)
- Impress Watch 川崎アリーナシティ、メインアリーナは1.5万人収容
- 川崎市 アリーナシティ・プロジェクトを契機としたまちづくり(報道発表)
- 川崎市 報道発表資料(2026年3月)
- 川崎市 登戸土地区画整理事業等について(令和8年4月)
- 川崎市 登戸・向ヶ丘遊園駅周辺の取組
- 宮前区のミライづくりプロジェクト
- 川崎市 都市計画マスタープラン改定の基本的考え方(報道発表)
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COMMUNICATION BUILDING
人と地域を紡ぐ建築設計
アトリエアイズWEB:a-iz.co.jp
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『リピート率100%・かながわオンリーワンの設計事務所』
一級建築士事務所(有)アトリエアイズは、神奈川県でオンリーワンの建築士事務所
川崎市・横浜市・鎌倉市に拠点があり、多彩な実績と専門性で、日々の暮らしとまちづくりを支えています。
地域密着でありながら、広域展開の実績も豊富な実績があり
古:文化財古民家再生継承~今:ヒアリング×クリエイティブ~未来:持続可能・環境配慮設計に取組んでいます
❶ 多彩な実績:2坪の店舗から13,000㎡を超える大型複合施設設計
❷ 多才な専門性:商業・店舗・福祉・住宅系・公共施設・文化財古民家再生等からCI・店舗ロゴまで
❸ 多細な風土アプローチ:日本各地(20都府県以上)、風土地域を読み解く創作
❹ 多采な貢献:持続可能性建築、地域域貢献イベント主催等、多様なSDGs・CSRの取組み
❺ 多咲なスキル・メソッド:カラーセラピー・木育・福祉コーディネート・文化財ドクター
2坪のインテリアデザインから13,000㎡を超える大型プロジェクト
ジャンル用途は、テナントビル・物販・飲食・美容・ジム・アミューズメント・オフィス・保育園・老人ホーム・学校・公共施設・住宅・文化財古民家再生ほか多数
鉄筋コンクリート造・鉄骨造・在来木造・耐火木造、幅広い構造の選択肢
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様々な規模・多くの用途・実績エリアの広さ等、他の設計事務所にはない、多様な実績があります
持続可能・環境配慮設計にもいち早く、川崎SDGsゴールドパートナーは建築設計事務所では初期の登録
「木育」をテーマとした地域貢献イベント主催、他事務所にはないSDGs・CSR活動も積極的に取組んでいます
加えて、スタッフ全員カラーセラピスト
そしてそれぞれ、木育インストラクター・福祉住環境コーディネーター・ヘリテージマネージャー・神奈川県文化財ドクター等の資格を保有
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徹底したコンプライアンスによる
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