2020/12/10

動機

「上階に動いている人が下階から見えれば、人は上の階にあがります」

これは設計の基本中の基本。
学校でもまず教えられる建築計画導線について。

しかし、実務を重ねるうえで考えが変わりました。

「上階に動いている人が下階から見えれば、人は上の階にあがります」

これは大きな錯誤です。

上がりません。

動いている人影だけでは「他人を動機付け」はできません。

「動機付け」には、多種多様多彩そして、多くの情報が必要で、
こと建築導線では膨大な情報量を瞬時に処理できなければ、
利用者の導線は、空間をつながくことはできません。

つまり「人が動いている」情報だけでは全く足りないのです。

公共施設は、他の施設にくらべ感覚的に安全・安心が担保されやすいです。
つまり、設計意図とは別に「施設特有の情報」が最初からあるので、
他用途より上がりやすくなります。

では、他の施設ではどうでしょう。

例えばシティホテル。

上階は少しお高目なレストランが入っていたりします。
大多数の人がお気楽に上がれますか?

また、人が動いているのが見える「路地裏の雑居ビル」。
上がりたくなるような雰囲気ありますか?

つまり、公共施設は安心安全が前提かつ設計条件として計画するので、
利用者の「動機付け」のハードルが最初から下がっているのです。


設計者が意識していなくらい、当たり前の前提として。

そうすると、最初から下がっているハードルを意識せず計画されているので、
分かりにくく、使いずらい公共施設が増えます。

というか・・・
公共施設はそれこそ「分かりにくい窓口」の集積ですから、
動いている人が下から見えても、人は上の階にあがりません。
ですので、錯誤なのです。

では、人を動機付ける情報提供の工夫は、
一義的な設計計画に加え、
二義的な配慮が効果的で、訴求力の強化が必須です。

・サイン計画が楽しくかつ明確にデザイン
・分かりにくさを興味探求に転換した導線の連続 など、
利用者負担が、楽しく軽くなる範囲を吟味し、計画します。

さらっと書きましたが、それこそ空間を作り込むための
情報量の精査は莫大です。

しかし、サイン計画などは、設計の二義的なステージは
案外疎かにされがちです。


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2020/12/04

取材

 


先だって、某サイトの取材を受けました。 コノイエ:https://konoie.kaitai-guide.net/ あんしん解体業者認定協会と言う団体が運営する建築士事務所紹介サイトです。 その団体は、解体業の荒っぽいイメージ払拭、そのために業界の姿勢の改革、若手育成に力を入れているそうです。 勿論、事業としての進展展開も主軸、優良な設計事務所・工務店とのネットワーク拡大も活動の一環だそうです。 よくあるマッチング・サイトやコンペ・サイトには建築家が溢れている昨今、そもそもなぜウチに・・・という質問には そういった類のサイトからは選出しておらず、自分たちで設計事務所を検索・選出、その事務所の実例・姿勢・思想を鑑み、会議をかけて取材先を決めているそうです。

まぁそのお世辞に乗っかた訳ですが、確かに、コノイエを見てみると、既存のサイトで営業活動をして目立っている建築家さんはあまりいなさそう。 既存サイトは建築家さんが自ら登録しており、過去には私もそこでコンペに案を出したり営業をしましたが、登録者同士の折衝ですので、まま色々あります・・・。 取材でメディア掲載の問い合わせも確かにままありますが、大抵、云十万円の掲載費を徴収します。彼らも商売ですので当然なのですが・・・・

しかし、今回は費用の徴収はありませんでした。 無料な理由は、団体がこのための予算を組み、運営しているからだそうです。解体業が自分たちの業務発展の為、設計事務所・工務店とのネットワーク拡大は経済活動としてとても自然です。 一方的な営業でなく、双方WIN/WINとなる取組、我々建築業界には少なかったので少々驚きました・・・・ 残念ながら我々の業界は、情報は一方通行、業界の発展を唄いながら、個々人の手柄の取合いばかり・・・ 動機・活動がとても素直で熱心、しかも無料となれば、断る理由がないです(笑)。 自分のことをたっぷり聞かれて、沢山話しますので、自身これまでの振り返り・整理のいい機会にもなったりしました。 あ~表現すればよかったとか、違う物件の話もしればよかったとか、終わった後思いましたが・・・・ 一番の残念は、年相応にと思い、最近白髪染をやめていたのですが、写真だと、とれがどえらく目立つこと(笑)。 もう一回、そっちも振り返ってみないと・・・(;'∀')


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2020/11/10

アイズ・インスタ

 


インスタで、過去作を随時アップしています。

ホームページ未掲載の写真も、かなりあります。

法人化16年、ずっと「元請」であること、「面白いデザイン」であること、にこだわってきました。
元請であることは、施主とともに作る喜びが大きいと同時に、責任も大きく、
「面白いデザイン」であることは、仕事を選ぶことと同時に、面白くする力量も問われます。
知識と経験、は、やはり違います。

アイズインスタ:https://www.instagram.com/atelier_iz_/


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2020/10/12

子ども夢パーク・リノベーション


川崎市児童施設、子ども夢パークの多目的ホール・リノベーション、
無事プロジェクト完了を迎えました。

以前は半屋外の空間を、完全屋内型の多目的ホールへリノベーション。
子どもたちを、やさしく・やわらかく包み込むようなイメージ。


腰壁の杉板ランダム貼は、近隣の谷戸をモチーフにしています。

ビフォー

アフター




通常は間仕切壁で2部屋に分けて、子供たちや地域へ開放。
講演を行うときは、100人弱の収容が可能です。


天井の杉材は、一度塗料を塗ってすぐに拭き上げます。
木目の表情はしっかり残りますが、柔らかい印象に変化させる手法です。

照明も、公共施設にありがちな全般照明とせず、
ダウンライトで、光の表情を豊かにちりばめました。

この施設の魅力である、自然の要素を
建築・インテリアに置き換えることがコンセプト。
谷戸・樹木・光・・・・
子ども達をあたたかく迎える空間にデザインしました。

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2020/09/19

先生

 建築設計は慣例として「先生」と呼ばれる。


しかし「何かを教える仕事」とは思っていない。
まだ教育が行き届いていない時代は「教える仕事」でもあったもしれないが・・・
あえて考えれば「法を行使する先生」ではあるかもしれない。

私の仕事は建築設計で「共感・共有」を空間に置き換え
うれしい・楽しい・心地よい」を提供する仕事だと思っている。

「教える」からは、まず共感は生まれない。
基本一方通行の情報提供と、情報の交通整理が「教える」と考えている。

双方向の情報提供は、情報交換であり「教える側の立位置」では
情報のやり取りは成立しない。

確かにプロとして経験・情報は持っている。
しかし、それは「教える」ものではなく「業務で使うもの」である。

人間が違えは、持っている経験・情報が違うのは当たり前。

クライアントや、職人との「情報交換」で創り出されるプロセスは、
この仕事の一番面白いところ。
だから「教える先生」にはなりたくない。

建築設計は「建築関連法規の取り扱い」がやはり基盤となるので、
「法を行使する人」が「先生」であれば、それは先生なのだろう。

自分には、この道に入るきっかっけをつくってくれた「恩師」がいるので、
建築設計が「先生」と呼ばれることに、違和感が強いんだろうと思う。

建築士で、大学などで建築の教鞭をとっておられる方もいますが、
その「先生」とは違います。念のため・・・

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2020/08/14

学校のトイレ





地元公立小中学校、トイレ・リノベーション・デザイン、検討案です。

コンピュータ・グラッフィックスの新しいシステムを今年導入しまして、

やっとイメージに近いパースになってきました。

これまでも、CGは基本内製でした。

成果品のアウトプットではなく、検討のツールを主眼として使っています。

CGですと広角部分がゆがむ傾向にありますが、素材感を含めた検討は

模型では少々事足りないことがあります。

新システムでは、照明の計算もより高度ととなり、検討がリアルに。

もちろん、クライアントとの打合せにも使います。


トイレのような、明快な空間は素材の表情・照明の計画が要です。

市内でも、改修されていても、デザイン性が希薄で、

ただ新しくなっただけのトイレが散見されていました。

ですので、積極的に「居心地の良いトイレ・デザイン」に取り組みました。

勿論、仕様は他と同程度を基準に、少しの+αと素材の使い方アレンジで

イメージを大きく変えています。


折角、子供たちの施設に関わるのですから、大人もがっばてるぞ感を

潜在的にでも、空間を通して伝えたいと考えています。


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2020/07/01

住宅建築




あれ?木でなくてコンクリート?
しかも住宅の専門誌で?

まぁ時流なんてそんなもんです😸

そもそも木は、特性の振れ幅が他の建材より大きく幅広い。
木の向き合い方・使い方で、事務所・建築士の色がものすごく出る建材。
其々の差異が明確にでるはずなのに、
業界全体が木信仰のようになっていた昨今の風潮には違和感がありました🤔

そういう意味では、時流以前から木にこだわってきた事務所・建築士さんには、
より特化し抜きん出る流れになってきたのかもしれません。

同時に、様々な用途・構造を扱っていたので、
木も、コンクリートも、鉄も、建材の選択肢のひとつ、
という私のスタンスもあながち間違あではなかった、とも思う。

其々の立ち位置が異なることは、本来面白いこと。
やはり、時流は読んで乗るもので、両手ばなしで乗るものではないですね。




以前「流行り」について考察したブログ
http://a-iz.blogspot.com/2020/02/blog-post.html


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2020/06/19

2番ぢゃだめなんですか


なんだか最近、2番の案が採用となることが間々ある。
そしてその時は、こちらもそれを予想している節もあったりする。

私の中の1番の案は、少し余分にコストがかかるとか、
もっと尖るか、ひねるかしちゃってる案。

傾向として、1番は、世の中に向き合った色が強い案で、
2番はクライアントとがっぷり向き合った案、
というデザインの立ち居ちの違いも確かにある🤔 

クライアントが持っていない感性を提案されることを喜ぶか、
クライアントの嗜好にあったものが喜ばれるか、ということでもある・・・

1番案を無理やり通せるようになると、
もっと派手な実績を羅列できるようになるかと思う反面、
2番の案は、保留や持ち帰りがなくその場で意志決定まで持ち込める、
事前の状況分析・デザイン提案・プレゼン、が構築出来ている、
とも考えたり☹️

以前は店舗ばかり手掛けていましたが、
最近は公共施設設計が増え、設計ステージが変化しました。
まだ3・4年ながら、同じ仕様でも他所にはないデザイン性を提案してくる人、
と行政にも認識してもらえてきた様子。

そういう意味では、公共施設は標準とされる仕様があるので、
他者比較が明確に表れる業務でもある。
そして、こういう事をグダグタ考え、思考を整えるのには、
向いているのかも知れない😸

まぁとりあえず、2番の案、と公言できるのは、
自分の立ち位置を案外冷静に見ようとしている状態ではある、
としておくか、と、思ったプレゼンでした。



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2020/05/27

換気=環境破壊



コロナ禍により世の中各所で弊害が・・・・
新しい生活・価値観、私たちの日常は諸般変化することでしょう。

非常事態宣言が解除された今、
ウィルス対策として「換気」が必須となりました。
評論家の間だけでなく、建築業界でも
「換気を増やして」と言う意見を多数聞きます。

ここで注意が必要なのは
「換気量を増やす」⇒「環境破壊」という図式が生まれることに
配慮がされていないこと。

現況の建物は致し方ないにしても、
建築業界でも、今後の対応として実しやかな
「換気増の設計」という意見が出てきていますが、
換気は換気だけの問題ではないはずです。

「換気」とは
「室内の汚れた空気を外に排出して、外から新鮮な空気を室内に取り込む」
ことです。

ただ、排出される室内の空気は汚れた部分だけでなく、
空調機器により温度・湿度等、環境を整えられた「空気」でもあります。

つまり・・・・

換気が多い
⇒排出される空気が多い
⇒室内空気環境のコントロールに負荷がかかる
⇒空調機を大きな出力で使う
⇒エネルギー消費が多大
⇒環境破壊

となります。

弊社ではこれまで(コロナ禍で悪者になった)
パチンコ店や焼き肉店のデザインを手掛けてきました。
(一部のパチンコ店により業界全体が悪となるのは少々悲しかったです)

パチンコ店や焼き肉店のデザインは、
タバコの煙・焼き肉の煙との戦いでもありました。

タバコの煙は、空気清浄器を使ってもたかが知れています。
匂い除去のためにイオンやオゾン発生器などもありましたが、
抜本的な解決にはなりません。

タバコの煙は「とにかく換気」が大道であり鉄則です。
そうなると、空調機の容量も大きくなる。

換気時に室内の熱を戻す、熱交換器という機器もありますが、
イニシャルコストが大きく膨らみ過ぎる傾向があります。

焼き肉の煙も同様です。

イニシャル・コストを抑え、空調機容量を低減するためには、
換気機と空調機の容量と配置バランスが重要。
空調機容量低減は、イニシャル・ランニング・コストの低減、
環境負荷低減につながります。

従前来様々な試行錯誤しました。
現在は安定した空気環境・コストコントロールを実現しています。
この設計ノウハウは他の用途でも有効となるでしょう。


ただでさえ大きな打撃を受けてしまった経済活動。
今後を見据えた状況判断に対して、
他用途・他分野の設計ノウハウがミックスされていくのではないでしょうか。


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2020/05/26

日本民家園 文化財建造物部分改修設計

川崎市には歴史的古民家を移築した一群、日本民家園があります。
その一軒、茅葺き屋根の改修設計を受託しました。

歴史的文化財ですので、伝統的建築物改修に秀でた親方に、
ご指導いただきながら進めています。

なかなか新規参入の難しい、文化財建築分野。

古民家改修・リノベーションは勿論、他用途建築デザインにも、
ノウハウや感性をフィードバックしていきたいと思います。

#建築設計 #建築デザイン #古民家改修 #ヘリテージマネージャー #リノベーション #インテリアデザイン #公共施設設計 #店舗デザイン #住宅デザイン #アトリエアイズ



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2020/05/08

Thank you


Thank you for the essential workers.

Thank you for your staying home.



弊社なりに、今、やれることを試みてみました。
スマホ向けの小さめなスライドショーです。
ご覧ください。

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2020/04/30

9月入学

コロナ禍により、学校は9月入学という話も浮上してきました。

中学三年生の子を持つ親としては、制度改正よりも、まず今、
何某か学習を進捗させる手立てを打って欲しい気持ちの方が強いです。

現状、家庭学習のプリントが配信されているだけです。
プリントの配信ができるのであれば、オンライン授業も可能なように思いますが、
2月の休校以来、状況は殆ど変わっていない・・・・


友達百人。

だれとでも仲良く、仲間は多いほうがいい。
おそらく、子供のころ私はそう教わっていたと思っています。

今改めて思うのは、やっぱりそれは間違い。

「人とのつながりを大事にする」ことを尊重することで、
やはり、仲良しが100人とは違う。

こんな時世こそ「つながり」を慮る。
そのための手立てを考える。

そこでの大前提は「トライ・アンド・エラー」。
そして、それを関わる各位が認識すること。
トライを尊重し、エラーを歓迎し決して叩かず、ブラッシュアップ。

これは、オンライン授業をスタンダートとすることではなくて、
今後世の中が正常化した時も、もう一つの手法として機能する
可能性もあろうかと思えたりします。
単純に、家庭学習・長期休暇中の復習・確認にも有効ではないかと・・・

もちろん、様々な手法があっていい。

制度の改革は、その「トライ・アンド・エラー」の次かと思います。


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2020/04/15

デジタル

新型コロナで、人との物理的な距離は遠くなりました。
その代わりデジタルツールを活用しなくてはなりませんが、
デジタルを活用したコミュニケーションは、
安易に「遠い間柄」のままとは言い難いのではないでしょうか。

「その時間」を共有・シェアすることで、
「思い」はつながるし、醸造もできるでしょう。

むしろ、WEBツールではいい意味で「電話よりもだらだと長く」もなりました。
同じフロアで、パソコン越しに話しているような感覚でしょうか。
それはそれで、お互いのつながりを創る、大事な時間です。


コロナ以前に、某業務でWEB会議を提案した時に、
そんなもの・・・的な反応で、実現しませんでした。
複数名になるので、集まれない・手元業務の手が離せないメンバーには、
途中からでもテレビ電話で参加してもらっては、という主旨でしたが・・・・
直接面と向かって話ができない会議に抵抗があったようです。

その後、人付き合いは「デジタルは良くない、アナログでないと」との
意見を多々いただくことになりました。
「参加しづらいメンバーをせめてWEBだけでも」という思いは、
デジタルかアナログかの二元論に変わっていました。


しかし、デジタルでも、アナログでも、道具・ツールの使い方は、人次第・思い次第。


コロナ渦中を早く脱したい思いとともに、
致し方無く陥った状況の中から、
それでもこの期間で培えるものを耕すことができれば、
何某かのカタチで次に繋がる・・・・と、思っています。



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友達百人




友達百人。

だれとでも仲良く、仲間は多いほうがいい。

おそらく、子供のころ私はそう教わっていたと思っています。

しかし・・・今現在の私は、だれとでも仲良くは出来ていないし、
むしろ仲間は少数精鋭でチームを組めることを目指しています。

シェア・共有、SNSの現在、より強調化してきたように見えますが、
ただ今までより顕在化しただけ、であるようにも感じます。

初対面では、やはり共通の話題を見つけらたほうが、
相互の距離感は早く縮まります。
私も初めてお話しすときは、まずは共通項を探します。

しかし、面白さが倍増するのは、共通項の先にある、相互の違い。

情報であったり、経験、価値観であったり・・・・
私と違うということは、私の知らなかった世界観、不足している経験を、その方が持っているということ。

と言うか、人間が違えば、その経験は当然違います。

その違いをリスペクトし、相互に刺激をしあえる関係・チームは、活気があります。

「長いものに巻かれろ」的な世の中もあるようですが、
そもそも「それが長い」かどうかも微妙では・・・・・・


「違いを認識する」それが意匠設計の仕事スタートだと考えてもいます。

クライアントと私はイコールではありません。

私の拘りのみでカタチを創るのであれば、本来、私自身がクライアントであるべきで、
クライアントが使い続ける空間であれば、クライアント自身の思い入れをもっていて頂きたい。

それには、クライアントの思い・嗜好・思想が原点であるべきだと考えています。
それを設計者が受け取り・読み取り、設計者のフィルターを通しアウトプットする。
ただし、クライアントの予想の超える提案で・・・・。

他にも、設計要件には、立地的要件、まちなみ、気候風土等、様々あります。

クライアントの思い、私のフィルター、各種要件が「化学反応」を起こしたときに、おもしろい空間が生まれると考えています。


共有友達は百人いる必要はありません。
違いを認識・リスペクトしあえる人間関係であることの方が重要です。

2020/04/07

テレワーク

テレワークは従前より実働していました。

デジタルツールなどを使用したコミュニケーションは、
確かに直接お会いして交わす会話より濃度が薄く・短いとは思います。

ですが働く場において「コミュニケーションの濃度・長さ」を第一義にすると、
どうしても働くことを諦めないといけない人がいます。

例えば、子育て中のお母さん。
(本当はお父さんも同義なはずですが、まだまだ実情はちがいますね。)

子育てと家事で手一杯、できれば子供のそばに長くいたいのに・・・・

フルタイムで働くと、どうしても子供を預けないとならない。
疲れて帰ってきて、休む間もなく家事となると、疲労困憊。
ストレスは大きなものでしょう。


概ね週3回の出社で10時~15時の勤務。
お子さんが長期休暇の場合は、本人の希望日出社で、
後は在宅ワークで対応してもらっています。
自宅にパソコンがあれば、データのやり取りはクラウド、連絡はライン等。

勤務していただく方の状況に応じて、会社が対応・調整を柔軟に変化させる。
概ね1年、実働してみましたが、特に大きな問題もなく。非常にスムーズでした。


「仕事場での濃厚なコミュニケーション」より「子育てしながら働ける環境」を優先して
考えたテレワーク・スタイルです。

「これまでの会社」は、給与・福利厚生を働き手に提供していました。
テレワーク・スタイルでは「スタッフの自由時間確保」も会社が助けることができる実感もあります。

「自由な働き方」があっていい。

できれば、親御さんはお子さんのそばに少しでも長くいてあげてほしい。
そんな家庭が増えるといい。

その方が、きっと、次世代を担う子供達には何某かよい影響があるのではないか。
生意気にもそんなことをイメージしたりします。

新型コロナで、いよいよ高まる閉塞感。

このような形で、テレワークが機能するのは残念ですが、
今後の社会の働き方も変わってくるのではないかと思います。

その分、より濃厚なコミュニケーションの場となる、
飲食店や余暇産業の存在は、社会的にもより重要な場所となるとも思います。
そちらは、実の業務である空間デザインで貢献を。


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2020/03/31

承認欲求



「承認欲求」

SNS時代の象徴ように使われる言葉。
あまり良いイメージではない使われ方をしているようです。
どちらかと言えば「いいでしょ~私」な、優越感を得たい、他者比較があるようです。

しかし、そもそも「他者に認めてほしい気持ち」は根本的に誰でもが持っていて、
他人を評価しあうのが人間社会・資本経済のシステム。

そして、これまでの教育は、その「承認」「評価」を、大多数から得られるようにとされてきました。

いわゆる「友達たくさん」。

その「友達たくさん」には前提が隠れています。

「みな同じように」在ること。

私もそのような教育を受けてきた実感があります。
そうして育った大人の社会も「みな同じように」という「空気」があるように感じます。

しかし、その前提と、同列、むしろさらなる前提が、あるべきと考えています。

人には「違うところが、たくさんある」ことを、何よりも、まず認める。

確かに、はじまりは共通項があるほうが、人は打ち解けやすいです。

しかし、同じところもあれば、違うところもある。

「違うところ」は
「違っていいところ」で
「違っていて面白いところ」。

同じは足し算。違うからこそ起きる、化学反応・相乗効果は、かけ算とも言えます。

「承認欲求」が、どこか不自然に感じるのは、過去の教育にも一因あるように感じると同時に、
昨今、私の子育てで垣間見る教育の試行錯誤も相まみえているようでもあります。

確かに、個性を意識はしているようですが、他者を思んばかるのとは、少々異なるような・・・
「個性」をはき違えた「マイペース」を放置しているような印象があります。
つまり「違い」の認知でなく、人間関係の放置。

他者と自身の「同じ」も「違い」も、まず認知し「他者を思んばかる」。
その前提にある「承認欲求」はとても自然な思いです。



そして、こんなご時世だからこそ、業界・世代・気分を切り取った断片的な非難・中傷・行動でなく、他者を思んばかった言動をしたいと思います。


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2020/03/11

消防団器具置場・詰所



311の4週間後、東北南三陸に仮設風呂設営のボランティアに行き、
自分の地元でも何某か関わらないと、と思い帰ってきました。
弊社なりの成果の一つが、地元消防団詰所の設計。

有事に尽力してくださる方々が、少しでも気持ちよく活動していただけるよう工夫。
これまので市の標準仕様変更まで踏み込み、
色彩や、照明器具の色温度等、独自提案しました。

カラースキーム・コンセプトは、まち並みに安心・安全を訴求する、
消防制服カラーです。
他の詰所と材料は同じでしたので、その大きな違いに驚いていただきました。

適度な存在感は、まち並みをつくる大切な要素。
それをボリューム化するのは、地に足の着いたコンセプトから紡ぐ素材・色彩、
クライアント・地域との意識の共感・共有です。


そして、内装は、日々の活動の活力になるような色彩。




詰所は、緊張・緊迫しながらも、少しでも心穏やかな助力になるよう、
温かみのある色温度・配光の照明計画を提案。



建築士ですので、まちづくりへの関りは、まずはその単体である建築の設計から。
今後も、地元のまちづくりに関わる意識・設計提案は続けていたいと思います。


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2020/03/10

チェックバック




 恫喝されました・・・・

某市内北部工務店、現場監督に「施工図面見てないだろ!」
ものすごい形相で怒鳴られました。
「まともな図面じゃないから見れないだろう!」と言って帰ってきました。

頭にきたので、彼の施工図にチェックをいれたら、真っ赤になりました。
パッと見て、全然だめだと思ったら、それがそのまま・・・
だから、もう1回確認して書き直してくれって言ってたのに・・・

設計図は、現場施工の段階では施工者検討作図による「施工図」として
各種工種・工程の調整、実際施工へと反映されます。
設計監理者は、法規順守・施主要望・設計思想と相反していないか、
施工図を確認します。

その赤入れが終わった段階の施工図面です。
これだけ赤いのは・・・・・初めてです。
概ね25年この仕事をしていますが初めでです。ここまで赤いの。

施工図面を見た瞬間から、錯誤が確認されましたので、
赤入れ前にもう一度確認して、修正しておいてほしい旨口頭で伝えました。
先方にもプライドがありますから、ここまで赤入れ・ダメ出しをされるのは
不本意のはずです。

数日後、現場で墨出位置寸法の確認をしていたのですが、
どうも話がかみ合わない。

 私は、元となる設計図を根拠に確認をしていましたが、
現場監督からの説明では異なる寸法が出てきます。
「現場がそうだからだ」というのが彼の言い分でした。

既存改修であれば、想定していたおさまりがつかないことはままあります。
しかしこの現場は新築。

なんでもない間仕切り壁の平面的な位置が、設計図と異なるはずがありません。
よくよく聞いてみると、間仕切りと絡む窓枠の取付位置を
なんとなくで決めていたようで、そこに合わせると壁の位置がずれるとのことでした。

本来、着手前に施工図は確認すべきですが、
施工図作図指示から2カ月たってから提出されていたのです。
当然、遅延する対応に再三指示を出していました。

行政の案件ですので、部局とも頭を抱えていたのですが・・・・
各所の取合い調整が未確認であれば、現場はこのような事態に陥ります。

こちらが理で話を続けると、当然現場の寸法設定は破綻、
作ったものの意味がなくなります。
ですので、彼は、人を恫喝せざるを得ない状況になり・・・

残念ながら、本来あるべき姿になるよう工事やり直しをすることになりました。


2020/03/04

変化


全集中!焼きの呼吸~
一の型!小手返し!😁😁😁
引きこもりも楽しくできればと、家お好み焼きな週末でした。

建築業界も、中国に工場がある大手メーカー製品が、納期遅延・受注中止など、かなり大きな影響が出ています。
今後、新型インフルエンザが、何時・どのように収束していくか、現時点では読めませんので、お施主さん始め不安感がまとわりつきます。

不安感を助長するつもりはありませんが、今出来ること、今後のこと、情報収集して考えざるを得ない状況になってしまった、と思います。

で、まずは、色々錯綜する情報・政策を目のあたりにして・・・・

普段、あまり政治的な思想を話す機会は少ないです。
支持政党・政治的思想を、明確にもっていないこともあります。
ただ、少し俯瞰した目線で、こうあったらいいなぁ・・・があります。

それは、複数の政党が、ほぼ同程度のチカラを持った政治。

例えば、アメリカの2大政党制等です。
感覚的には、3大政党くらいはあってもいいかと。
3角形は力学的にバランスの取れた最小単位の図形でもあり・・・

ですので、個人的には、現在の政権・利権の一極集中には、少々疑問を感じています。
政権・利権は適度に分散し、牽制しあいながらもバランス取り合う状態がよいように思います。

終戦直後の日本、解体された政界・財閥は結果的に、政権・利権の分散につながったようです。
そして、戦後の復興のなかで、当時の大人、私のおじいちゃん・おばあちゃん世代が、今では考えられない苦労を重ね、その後の経済成長・平和な暮らしにつなげてくれました。

ただ、戦後70年以上経過し、政権・利権もまた、纏まり・塊りつつあるように感じています。

経済活動があれば、社会の自然な流れではあるので、全否定はしません。
与党が、野党が・・・・というのも、少々性急な各論になりそうなので控えます。
また、富を全員に分配すればいい、という極論のつもりもありません。

ただ「もう少し偏りすぎないあり方」は、ありえないかなぁと・・・

経験したことが無いので、それが良いのか・悪いのか、言い切ることはできませんが
「変化がなくなる」ということは、「進化」にもつながりづらくなるので、
現状はちょっと残念な状態、な気がしています。



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2020/02/15

流行り

流行りに乗る・・・・・

とても軽薄な印象のあるもの言いです。

流行り廃りがあり、廃れるものは大したことのない事、そんな前提でしょうか。


私が新卒の頃、25年程前の木材は、
表情が繊細、材色が均一、狂いの少ない「柾目」がよい
とされる傾向が強かったです。
さらに柾目の木材は、工場では腕のよい職人によりミリ単位以下の精度、
現場では思慮深い職人により材質・材色を選別整理されるべき材料。
と、教えられました。

表情豊かな板目は安っぽい材、フシがあるものなど言語道断、そんな雰囲気でした。

しかし、最近では「板目」が主流。
表情豊かな素材として、それこそフシだって、それはそれで面白い
という傾向もあります。
加工についても、使い勝手に支障なければ、少々の粗さはぬくもりがある。
なんだか以前より、楽しく使われている感覚さえあります。

近年は国の政策もあり、木・木造・木材が見直され、
新しい構造、見せ方、使われ方も多様化しています。

「空前の木材ブーム」です。

そうなると、木質化ブームに乗ることは「軽薄」なのでしょうか?

国策ですから、建築業界たけでなく、流通・産業も変化を求められています。
変化は進化でもあります。
25年前とは流通も産業も技術が進んでいます。
私たちの手元に届くモノも変化・進化しているです。

つまり「流行りにのる」ことができるのは、
状況が変化・進化し、新しい価値を見いだす・見直すことができた結果なのです。

建築は一度造ると永い年月残ります。
造り手も永く快適に使って頂きたいので、その為多くのノウハウと労力を注ぎます。
ただ、その過程で、飽きない・変わらない「価値観」まで造る気持ちが入り込む。

しかし、そもそも何十年も価値観が見直されないことも如何なものでしょうか。

建築は永く残りますが、造るのはその存するスパンから比べたら一時。
そして、必ずその「造る一時」の時代背景に影響は受けてしまいます。

であるならば、むしろ前向きに「流行りに乗る」ことはできないでしょうか。

造った時の「思い出」。

「造る一時」は時間の経過と共に「思い出」になります。


流行りに乗る・・・・・

流行り廃りがあり、廃れるものは大したことのない事、となってしまうのは「ただ享受」した結果。

思慮・検討は、変化・進化に繋がり、それは、思い出の積み重ねに繋がっています。

つまり、「流行りに乗る」ことは、ポジティブに捉えるべきで、向き合い、某かに繋げていくことのできる行為・創造活動であるのです。



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本物の素材



建築設計の創り手からよく聞かれるのが「本物の素材は飽きない」という話。
そもそも、フェイクはどれだけよくできていても、
本物の素材がもつ「風合い」「存在感」等はとても敵いません。

しかし「飽きない」という言葉遣いは少々「その意味」の履き違えがあります。
人の心理を考えますと「変化しない」ものは「飽きやすい」です。
人工建材は「劣化」という「好ましくない変化」をしているので「飽きやすい」のです。
本物=天然素材は「風合いが増す」ので「よい変化」をしているので「飽きがきずらい」。

飽きる飽きないは、本物の素材云々ではなく「人の心理変化」と向きうべきで、
創り手が語る「飽きない」は、あくまで物質価値という、とても狭い領域にあります。

ちょっと厳しい表現をしますと、
「本物の素材は飽きない」という論理の創り手は、本物の素材を活かしてはいません。
本物の素材に頼ってモノづくりをしているのです。

2020/01/31

シルバー建材


写真はアイズでデザインしたパチンコ店です。
遊興施設にありがちな、けばけばしいデザインをあえて避け、安心できる佇まいを訴求しました。
素材はアルミ。横格子に組んだルーバーで、断面はかまぼこ型。少しむくりがあるので、ルーバー一本一本にやわらな陰影がでます。

銀色、シルバー色の建材。カッコイイですね。
素材としては、ガルバリウム鋼鈑、アルミ、ステンレス等々。
建材としては、外壁、屋根、ルーバー等々、豊富です。

シルバー色の建材は、ボリューム感によってはマシッブでありながら、軽快感もあり、ごてごて飾るより、シンプルで、スマートで、飽きがこない・・・・

ただ・・・・・
しばらく前から世の中には「シルバー信仰」のようなものがありました。

シルバーならカッコイイという感覚。

日本のまち並みは、往々にして、カラフルというより、雑迫な印象があります。それは、其々の「個の嗜好」がとっちらかったまま集積、連単となっているからです。

確かに、そのなかにあって「シルバー」はミニマムで、明快で、それでいて、まち並みを阻害しない。潔く、その嗜好・価値観を表現する素材です。
場合によっては、いい意味で存在感が希薄にもなり得ます。
特に、住宅では、住まい手のライフスタイルを、表現する建材です。

しかし、公共、もしくは公共的な建物においてはいかがでしょうか。

まちの中にあって「それなりの存在感」は、地域の安心・安全に繋がったり、まちの豊かな表情に繋がります。

まちが、カラフルがいい、ということでないのです。

住宅や店舗など嗜好・志向の色濃い建物ではなく、公共的な建築で「なぜこの建物はシルバーなのか?」という疑問を感じたことがままあるのです。
公共なのに、なんだか冷たいというか、無機質というか・・・そんな印象がありました。

それら、シルバーの建物を設計・選択するプロセスには何があったのか?
シルバーを選択した理由は何なのか?

私にはあまりよいイメージを連想することが出来ませんてました。


選ぶ前に「なぜそれを選ぶのか」を考えるのが自分のシゴトです。

結局、建築に向かうのか、ベクトルの先に建築があるのか。と同じですね。

シルバーにありきで向かうのか、試行錯誤したベクトルの先にシルバー建材があるのか。

それは、本当に大きな違いです。


そして、最近は「木・木造・木材」へ潮流が流れています。

なるほど、その時には一見それが揺るぎない嗜好・価値観に見えても、時代は流れているようです。

そうなると時代が「シルバー」に飽きてしまったりしたのでしょうか?

そうなると、シルバーを選択したのは、単なる流行りに乗ったことになります。

そう、流行りです。

てば、流行りにのることはネガティブなのか・・・

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2020/01/20

ベクトル



ベクトル⇒力学で、力点の始点・終点を結んだ、矢印の向きと大きさ。

ベクトルが建築に向かうのか、向いたベクトルの先に建築があるのか、成果として建物ができるのは、同じように感じるかもしれません。

ただ、建築を設計する過程で「ベクトルの向き」にこだわるのは「建築の目的」にあります。
ですので、向きというより「設計のスタート地点」の違いのほうが分かりやすいかもしれません。

建築はその存在に、様々な内的・外的要件が関わり錯綜します。
共通要件は「人々が某かの行為をする単位空間」であることのみ。

過去に「建築は総合芸術である」とした思想もありましたが、あくまで一義的な空間単位でなく芸術ととらえよ、という文化的思考です。

となると、建築=総合芸術とするのは少々狭義的で、様々な建築のありかた、空間用途の活用を、息苦しく、案外つまらないものにしかねません。

もちろん、そもそも何の思想・志向・嗜好なく創作された建築は論外ではあります。

しかし、その逆、「人々が某かの行為をする単位空間」である以上、論外なものが生産される事実もあります。

実際、日本の戦後建築史は、文化と経済が完全に2分された側面もみられます、
芸術的な建築と、採算性オンリーの建築が、大量発生大量消費の時代には両極で存在していました。
その後、価値観は多様化し、芸術・経済、その垣根もさらに混沌としています。

まさにカオスです。

建築という終点に向かうベクトルが交錯しています。


アトリエ系設計事務所では、建築へ向かうベクトルは、総合芸術へ向かいたがります。
いわゆる作品づくり。
その結果、人の行為よりも、芸術的な単位空間が優先される建築がうまれます。

逆の場合は、経済性一辺倒で、なんとも味気なく、ぬくもりのない空間単位の羅列になります。


使いどころのよく分からない「無駄に大きな空間の見せ場」や、その逆、使い勝手だけ考えた味気ない「経済性優先の空間」が巷に溢れるあるのは、「最初から」ベクトルが「その目的」に向かっているのです。
おそらくその方が、作りたい、売りやすい、瞬間的な評価が得やすいというのもあるでしょう。

その違いがわかりずらいのは・・・
「建築ありき」であることを、それぞれ創り手が疑っていないこと。
芸術性にせよ、経済性にせよ、建築設計では当然すぎて、設計する側がそれに疑問を持たない。

疑問を持たないと「こうあるべき」が強くなる傾向があります。

ではなく、「こうあるべき」より、着地点を
「あぁ、こういうのもありだな・・・」を目指そうとすると、
「設計のスタート地点」そのものが別のところになります。
「ベクトル」そのものが違ってきます。


前職や創業時とは、「ベクトル」「設計のスタート地点」は、明らかに違うところにあると感じています。


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2020/01/17

職人?



基本、職人さんと建築士(設計)は職能が異なり、
その違いでのやり取りが、面白み醍醐味です。
ですが、職人さんがカッコイイあまり、職人的な立ち位置で、
仕事のアプローチをとりたがる建築士(設計)さんとの会話が、
正直、同じ建築士(設計)としては、最近ちょっとつまらないです。
やっぱり、建築士(設計)は職人ではないし、強みはちがうと思うのです。

設計者だからこそのデザイン・アプローチが売りのはずです。