省エネ・節電は、近々の設計活動では最も重要なキーワードであるが、それらも「心のゆとり」のデザインアプローチがあって、はじめて建築家のシゴトとしての意味を持つ。
日々の創作活動の中で、そのアプローチは「あそびごころ」という言葉に置き換わる。
それは、ゴテゴテとした形態や演出を織り交ぜた空間の事ではなく、同時に、無駄を全てそぎ落とした、ソリッドな空間をデザインすることを否定する事でもない。
いかにも格好のよい、モデルハウスや、一部だけを魅せる住宅雑誌に憧れて空間を作っても、息苦しかったり、使い勝手が悪く不便を感じる空間になってしまっては本末転倒だ。
日々の生活は、極めて雑多なものの積み重ねであるが、しかし、意外なほど単調であると言うことも出来る。
家はその「日々の生活」の起点である。
専門知識・技術はもちろん大切だ。建築士の仕事の根底にあることも確かだが、クライアントの「生活の起点」として住宅設計に取組むときには、知識論の外にある「感性」を一番大切にしている。
クライアントが「思った家」を建てるのであれば、メーカー等でいい。デザイナーの仕事は「思った以上の家」を提供することだ。
つづく
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