間仕切りがある・ないだけでなく、時間・季節・ライフステージの変化によって「空間の単位」が、住まい手によって変えられる家。
そういう設計をしていると、部屋数ありきの価値観はあまり合わない。
実際ある住宅では、私もクライアントも想定していなかった使い方をしている空間がある。設計時には、全く予定していなかった「ご主人が大学院に通う」ことになったからだ。
当初は客間として要望された部屋(空間)が、壁で区切っていなかったので、落ち着いて勉強もしたいが、引きこもりもしたくない・・・そんな「新たなライフステージ」で活用してもらえた。
日本の住宅は「部屋の用途」があいまいだった。小さな家だから・・・という事ではなく、例えば大きなお屋敷でも間仕切りは曖昧で、とてもフレキシブルだった。
それがいつのまにか、ここは食事の部屋、ここは寝る部屋、ここは客間という「決まった使い方」の、家づくりに塗り替えられてしまった。
それは売る側の理屈。数だけの価値観は「たくさん」売りやすくなる。
日本には「空間を自分・時々にあわせる」文化があった
自分の設計は、それを住まい手なりのカタチで表現することだと思っている。
つづく
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