2010/07/17

飽きないデザインの手法 3





本物の素材は「飽きがこない」と、よく耳にする。
クライアントだけでなく、建築士の仲間内でも、疑う余地はない位の勢いで。
確かに「ニセモノ」とは全く違う。

では、その「本物の風合い」が「飽きが来ない」本当の理由なのか?

それだけの理由では、少し物足りない気がする。

というのも、木や石にも、その時代の「流行」がある。
バブルの頃は、赤い花崗岩が多かった。その後は、ビアンコカララという白い大理石。
一昔前は、あまり目の強くない桜のフローリング。最近は木目がゼブラのように見える木だったり。

「流行」とは、「飽き」の「波」。
本物の素材だって「波」に飲まれる。

では、なんで本物志向は強いのだろう。

本物の素材は、竣工直後の素材感と、10年・20年、もっと・もっと先、それらを比べると、「その風合い」は経年とともに「味」が増してはいないか?
決して、「選んだとき(竣工したとき)」と「同じ」ではない。


「飽き」という視点から見ると、本物の素材は、「変化・進化」をしているから、人を「飽きさせない」言える。

「本物志向」だけでは、人は「飽きる」。
その本物にどんな「思い入れ」を入れるかで「飽きさせない」ものになる・・・

つづく


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